わたしの中にいる鬼を
退治しに出かけたわたし
出かけてから、
随分経つんじゃない?
疲れて寝てるんじゃない?
鬼退治をする気が
もうないんじゃない?
そもそも、
鬼はいるのか、
それさえ疑問に思えて来た。
鬼は自分の作った幻想で
姿のないものに対して
刀を振り上げ
拳を突き出して
空を切る。
なんの反応もあるわけない。
空振りばかりで
疲れてる。
しばらく寝ころがって
ボーっとしてみよう
鬼が本当は何だったのか
過去の体験と
未来への不安が
わたしの心に棲みつかせた
過去も未来もないのなら
それは、やっぱり幻想なんだ
もう、休んでいいよ
とにかく眠ろう
結局、何もないんだからさ